【インタビュー】オフィス家具で「働き方改革」!? 1人1人に合わせて最適なオフィス家具を選ぶことが、会社と社員にもたらす効果とは
お話をお伺いした梁原立寛さん(写真左)、村松佳代さん(写真中央)、管理部の仙石宗之さん(写真右)。
仲介手数料無料の賃貸オフィス情報サイト「officee」、オフィス家具通販サイト「Kagg.jp」を運営する47(よんなな)グループ。2018年には新品オフィス家具の月額レンタルサービス『Kaggレンタル』も開始し、ITサービスを通して “もっと暮らしやすくなるための日本づくり” を実現しようとしています。
オフィス家具といえば、オフィス用品カタログから選んで購入することが多いためその違いが分かりにくく、デザインや価格帯で決めたという企業も多いのではないでしょうか。しかし「働き方改革」に取り組む企業が増えている今、改めてその価値が見直されています。その理由とは?オフィス家具が会社や社員にもたらす効果とは、どのようなものなのでしょうか?47グループの梁原立寛さん(写真左)と、村松佳代さん(写真中央)に、現在注目の集まる「働き方改革のためのオフィス家具選び」、そしてその背景にある「働く人」への強い思い、今後のビジョンを伺いました。
社員1人1人に合わせてオフィス環境を整えることは、取り掛かりやすく効果も出やすい「働き方改革」!
↑インタビュー中も笑顔が絶えないお二人。社内の明るい雰囲気が伺える。
<プロフィール>
[47インキュベーション株式会社 取締役] 梁原立寛さん(写真右)
東京大学文学部卒。2010年8月中途入社。前職はスターバックスコーヒー。 オフィス家具事業の責任者として、サービス運営と事業開発にあたっている。
[47内装株式会社 営業推進部] 村松佳代さん(写真左)
目白大学人間社会学部卒。2011年1月中途入社。設計担当と共に日々お客様の要望に合う什器を提案している。オフィス家具に関する知識は社内で一番。
梁原「“働き方改革”の一環として、オフィス環境を改善しようという流れがあります。フリースペースを作ったり、固定席がなく自由席だったり、オンラインで打ち合わせに参加することができたり。今までの組織って、社員は会社から買い与えられた机や椅子を、自分の机、自分の椅子として当たり前に使用すると思うんです。それが常識。それを変えようとはしない。無意識にそもそも変えられるものではないと思っています。でも、1人1人体格も性格も仕事も何もかも違うのに、どうして日々使うものが単一のものなのでしょうか。人によって違いがあれば、その人に合う机も椅子も違うはずです。そういう背景があって、家具が組織で働く社員のみなさんに与える影響はとても大きいんじゃないのかなと思っています。」
村松「例えば、みなさんが長い時間座っている椅子。身体に大きな影響を与えています。腰が痛い、脚がむくむ、肩が凝って気になるなどの状態と快適で集中している状態だと、生産性が異なってくるわけです。正しく椅子に座ることで腰痛が緩和されたり、人によっては痛みが解消される場合もあります。機能以外にも座面の素材がメッシュかクッションかで座り心地が変わりますし、座る人に合わせて本当に多くのパターンが試されています。
実際多くのお客様とお話ししていると、このようにオフィス環境を改善する目的に傾向が見えてきました。一番多いのは社員のモチベーション向上です。おしゃれなだけでなく居心地の良いオフィスで働きたいという方は多いと思います。その次が採用です。エントランスの見栄えをよくしたり高機能チェアを入れたりなど、働きやすさに意識を持って取り組んでいるという会社の姿勢が見えるため、面接などでオフィスを訪れた際に魅力的に感じる方が多いのではないでしょうか。働き方改革の第一歩としてオフィス環境を変えるのは見た目も実感としても効果が出やすく、始めやすい取り組みかと思います。」
正しい椅子と正しい姿勢だけで、ストレスが減り集中力が増す!?オフィス家具の改善がもたらす効果例
梁原「オフィス家具の事業を展開しているため、社内のオフィス環境整備を積極的に行なっています。実際、弊社に応募してくれた転職希望者の転職意向が、弊社オフィスを訪問したことによって2位から1位に上がったということもありました。」
「90、110、90」これが椅子の正しい座り方!
↑理想的なオフィスチェアの座り方を披露してくださった倉内さん。90・110・90の法則は覚えておきたい。
倉内「今は総務ですが、もともと営業サポートをしていました。営業の資料作成や電話をかけるといった業務を行っており、基本的には、社外には出ません。パソコンをずっと見るので体がガチガチになってしまい、毎日肩がすごく痛かったんです。そのことを村松さんに相談したところ、おすすめの椅子を紹介してもらい、正しい座り方も教えてもらいました。これが理想的な座り方です(上記画像参照)。ひじが90度、腰は110度、膝は90度です。
私は背が高いので、それまでひじや膝の高さが合っていなかったことに気がつきました。合っていないと力が入っている状態が続き、疲労に繋がります。またパソコンで作業するときには、腕は机に触れるか触れないかくらいがちょうどいいそうです。姿勢が良いことは良いことだ、という認識が日本人にはありますが、姿勢が良いのは2〜3時間が限界で、その限界を超えるとその後は猫背になってしまうそうです。ですので姿勢を崩さないためにも腰は110度、少し寄りかかる程度で、机と体は拳1〜2個分くらいの近さにすると疲れにくくなりました。このように椅子を変え座り方を整えたことで、長年悩まされてきた肩こりが本当に治ってしまったんです。これにはとても驚きました。」
村松「いま倉内がお話した座り方が正しい座り方です。それができていないと、正直1万円の椅子に座っても、10万円の椅子に座っても、疲労軽減や快適性などあまり変わらないんですよね。使い方がよくないとその効果が発揮されません。」
腰痛を治すために自分に一番合う椅子を探していたら、病院にもマッサージにも行かなくなりました!
↑腰の痛みが酷く何度病院に通っても治らなかったという博松さん。椅子を変えただけで痛みが消えた驚きは、今でも忘れられないそう。
博松「私は以前から腰痛もちでした。もともと腰を痛めたのはスポーツを過度にしていたのが原因で、この会社にくる前のアパレル企業では立ち仕事が多く、さらに痛くなったんです。いつも、「自分の腰を取ってしまいたい!」と思うくらい、ずっとさすってないといけない状態でした。病院に行って痛み止めをもらうことも多くて。立たないと痛くて、仕事しながらもストレッチなどしていました。でもそうなると、集中もなかなかできないんですよね。
それが、この会社に入って、村松さんに椅子を選んでもらってすごく良くなったんです。自分でもびっくりしたんですけど、何も痛いと感じなくなりました。病院にも行かなくなったし、マッサージにも行かなくなりました。それを見つけるまでに何度も何度もいろんな椅子を試させてもらいました。1日だけでやめた椅子もありますし、数週間試したものもあります。別に値段がとても高いものにしたわけではありません。自分の体と好みに合ったものを選びました。ぴったりの椅子を見つけようと思うことと、試すことが大事です。」
オフィス家具の選択が、働く人それぞれの人生を、ポジティブで生き生きとするものにできるはず
↑マイ・チェアを披露してくださった梁原さんと村松さん。椅子への愛情が溢れている。
村松「このように自分自身の身体に合う椅子を探していただくために、皆さまに様々な椅子を試してほしいと思っています。オフィスの椅子を実際に試してから購入するという習慣があまりないため、社員の方が座ってみてから自分に合っていないことに気づく。もしくは合っていないことにも気づかず、疲労やストレスが溜まってしまっているかもしれません。だからこそ、弊社では最近、新品オフィス家具の月額レンタルサービスを始めました。誰でも試せるように送料無料で、1ヶ月から試せます。ぜひ、実際に仕事中にご使用になっていただきたいです。肩こりや腰痛が解消されたり、疲れにくい姿勢で働くことができれば、心身ともに健康に働くことができ、生産性も上がると考えています。(47ではオフィスチェアの試座会も開催している)
実は、女性のためにデザインされたオフィスチェアもあります。特に小柄な女性は肘を置くところが高さや体との感覚が女性には合いにくい。身長も体格も違うのでそれはそうですよね。ですが、あるメーカーさんの女性向けに開発された椅子は元から小さめに設計されており、肘置きの角度を360度調整できるようにしていたり、背面が肩甲骨に当たらないようになっていたり、足の血流を変えられる仕組みまで備わっています。このように、本当に人によって自分に合う椅子は千差万別です。ぜひ、自分にぴったりのチェアを見つけていただけたらと思います。」
↑モダンですっきりとしたエントランス。来客者がオフィス内の雰囲気を見ることができるよう、あえてガラス窓が設けられている。
梁原「我々には“もっと暮らしやすくなるための日本づくり”というビジョンがあります。そのためには、それぞれの企業と社員の方々に最適なオフィス環境をどう提供するかが大事だと思っています。オフィスにおいてどういう内装にするか、どういう家具にするかというのを、突き詰めて考えていきたいと思っています。
ただ、“働き方改革”という括りでオフィス改善を実行しようとすると、オフィスがおしゃれだからいいとか、全社員の椅子が高級な椅子だからいいといった話になってしまい、どの課題も解決しないものになるというのがよく陥ってしまうケースです。そうではなく、働く1人1人のことを一緒に考えていけたらと思っています。だって、オフィスにいる時間って、とっても長いじゃないですか。社員同士のコミュニケーション量に課題があれば、もしかしたら、“マグネットスペース” と呼ばれる印刷機やロッカーを社内の中央に置くことによって、話す機会が自然と増え、解消できるかもしれない。もしかしたら、事務職で腰痛持ちの人がいれば、その方の体に合わせたサイズで、課題を解決できる機能を持つ椅子があるかもしれない。弊社内においてもまだまだ最適な状態にできていないことはありますが、同じくらい、まだまだ多くの会社のオフィス環境においてできることがあると思っています。オフィス家具の選択ひとつで、社員の方の人生を、ポジティブで生き生きしたものにできる。私たち47グループはこれからも家具やオフィス空間内装を通じて、日本の働き方に抜本的なソリューションを届けていきたいと思っています。」