面接担当者の「最後に一言ありますか」は思いを伝える絶好の機会に!

面接を受けて、いろいろなことを聞かれたり、質問したり、とさまざまな受け答えをして疲れた頃、ようやく終わりというときに、面接担当者から「最後に一言ありますか」と聞かれるときがあります。

このとき、何も言わないことで採用のチャンスを逃してしまうかもしれません。どんなことを言うべきか、ということを中心に解説していきます。
 

面接の主な流れは?

「最後に一言」に何を言うべきかをみていく前に、そもそも面接はどのような流れで実施されているのか、基本的な流れをみていきましょう。もちろん各会社の面接担当者によって異なりますので、絶対ではありません。
 

入室

面接する部屋に入室します。受付から係の人に案内され、入室するとき、既に面接担当者がその部屋にいる場合とそうでない場合もあります。

面接担当者がすでに部屋にいる場合は、入室マナーが見られ、選考対象となっています。転職の場合は、既に社会人として働いてきたため、一般的な社会人としてのマナーが身についているという前提があるからです。
 

自己紹介

入室し、座席を案内されるため、名前を伝え、あいさつをします。このとき、面接担当者から座席に座るよう促されるので、着席します。

最初は、交通機関やここまでの道のりなど当たり障りのない会話から始められることも多いです。ここで緊張をほぐすといいでしょう。

このあと、自己紹介を求められますので、簡単に自己紹介をしていきます。
 

職務経歴

自己紹介の次は、職務経歴です。現在会社に在籍している場合は、そこでの職務を中心に話していきます。担当者から質問をされることもありますので、丁寧に答えるようにしましょう。

既に退職している場合は、直近に勤務した会社の職務について聞かれることが多いでしょう。

ここで話す職歴については、転職を希望している会社の募集内容とマッチする内容を中心に伝えていくことをおすすめします。
 

転職理由

転職理由については、かなり聞かれる事項になります。そもそもなぜ転職を考えたのかを知ることで、その人の仕事についての考え方や会社で採用したときの働き方などが予想できるためです。

そのため、不満ばかりで転職を考えたとしても、そのことをそのまま面接の場で話すのは好ましくありません。たとえ現在の職場でいろいろ失敗したなと思うことはあっても、志望している会社ではどのような働き方をしていきたいのか、前向きに捉えて転職理由を考えておくことをおすすめします。
 

志望動機

転職理由と近い部分はありますが、この会社のどういった点から志望したのか、会社が知りたい部分になります。ここではなく他の会社でもいいのでは、と思われてしまう内容は避ける必要があるのです。

募集内容と自身の特技や経歴などから、いかに働けるのか、活躍できるのかをアピールするようにしましょう。
 

募集内容

募集内容の記載には書かれなかった事項など、細かい部分について担当者から伝えられます。こんな仕事はしたくなかった、など入社してからでは遅いのです。

たとえば、2年ごとに部署が異動になるといった制度がある会社では、この職歴を極めたいと思っていたのにできないということになってしまうからです。詳細については、自分の考えていたこととズレがないかを、きちんと確認しておくようにしましょう。
 

条件確認

労働条件については、入社してからトラブルになっては大変ですので、きちんと確認しておきましょう。

特に接客業の場合は、土日休みではなく、休日の曜日が平日に固定されていたり、平日でも曜日はバラバラなど、かなり会社によって異なります。そのため、習い事などをしたくてもできないということにもなりかねません。
 

質問・最後に一言

最終的に、「何か質問は?」や「最後に一言ありますか」と聞かれますので、質問がある・疑問点がある場合はきちんと確認し、クリアにしておきましょう。
 

退出

面接室を退出します。このとき、エレベーターなどエントランスまで見送られる場合も多いので、きちんとマナーを守るようにしましょう。
 

最後の一言は何をアピールするべき?

さて、最後の一言については、今までの面接の疲れや緊張から、「特にありません」と答えてしまいがちです。しかし、この場は、実は重要な時間になっているということを認識する必要があります。

なぜならば、この「最後に一言」の時間は、面接担当者がもっとこの人の人柄や能力を知りたいと考えている場合や最後にチャンスを与える時間を作ったという意図があるからです。

もちろん形式的に聞いている担当者もいますが、面接担当者の中である程度結論が出ている場合は、聞かないこともあります。どうしようか迷っているとき、面接した印象があまりよくないなどといったときに、積極的に聞く場合が多いためです。

そのため、「何もありません」などと回答するのは、実はチャンスを逃していることになるので、もったいないといえます。最後に何かアピールしたところで結果は変わらないかもしれません。しかし、最後に発した言葉は、面接担当者の印象にも残りやすいため、積極的に好印象を与えることができれば、結果が好転する可能性もあるのです。

こうしたことから、「最後に一言」は、最終的に自分の持っている熱意をアピールする場にしたり、面接官にお礼を言うことで、礼儀正しさをアピールする、聞けていない質問をするなど、さまざまなことに活用できます。いずれの場合も、ご自身のよい点をアピールするようにしましょう。
 

参考例

それでは、どのように「最後に一言」を言ったらいいのでしょうか。参考例をみていきましょう。
 

企業への熱意をアピールする

企業への熱意のアピールは、面接の時間の中では伝えきれないことも多くなっています。そのため、今一度きちんと伝えることで、好印象を与えることができます。

たとえば、「本日の面接をとおして、御社で働きたいという思いがますます強くなりました。私が今まで身につけてきた営業力を生かして、ぜひ世界中に御社の製品を広めるお手伝いができるものと考えております。」
 

聞けていない質問をする

最後に確認したい事項をもう一度聞いてみるのもいいでしょう。たとえば、「一番やりがいを感じたことはどんな仕事をしているときですか」などと担当者に聞いてみるのもいいでしょう。

現場責任者が面接担当者の場合は、具体的な話を聞くことができ、ご自身の入社後の働き方などがより具体的に掴めるようになる可能性も高まります。
 

お礼を述べる

面接にも業務時間を割いています。そのため、お礼を述べることも効果的です。たとえば、「本日は面接にお時間を割いていただきありがとうございました。○○のお話が聞けて、とても貴重な機会となりました。」などと言います。
 

まとめ

面接というのは、履歴書や職務経歴書では測ることができない事項、人柄や能力などを実際にみて、採用するかどうかを決めていく時間です。

そのため、究極的には「その人と働きたい」と思えるかどうかがポイントとなります。特に直属の上司に将来なり得るポジションの場合は、持っている能力を切り込んで聞かれるので、注意するとともに、人柄についてもかなり見られます。

特に、複数人から応募がある場合、能力がほとんど同じならば、最終的には熱意が重要な判断ポイントとなります。そのため、「最後に一言」の時間では、特に何も言うことがないようならば、積極的に熱意を伝える時間として利用することをおすすめします。