保育園の転園は可能?

平成29年平成29年4月1日の待機児童数は26,081人でしたが、0歳児を中心に年度途中の申し込みが増加し、平成29年10月1日の待機児童数は55,433人(平成28年10 月1日時点と比較し、7,695人増加)と厚生労働省の「平29年10月時点の保育園等の待機児童数の状況について」で発表されました。

保育園の待機児童が増える中、人数の空きがある園を探し、申し込みをして面接をして、やっと入園できた保育園でもいろいろな理由で「転園」せざるをえない状況になる場合があります。

入園してしまった園を転園できるかどうか不安になりですが、転園は可能です。
 

転園をする理由

・転勤・転居など、住環境の変化
仕事の都合で転勤になった、保育園から離れた場所に家を買った、実家に入ることになったなど、通園できない場所に引っ越しすることになってしまった。

・園の方針に合わない
勉強の時間が少ない、遊びの時間が少ないなど、入園前にある程度聞いていたことでも入園して園活動が始まってから「保育園の教育方針と家庭の方針が合わない」と気がつく場合があります。

・担任の保育士と合わない
園の方針や活動内容は合っているのに、担任の保育士さんの言動や行動に納得できない場合があります。長い時間子どもを預けて面倒を見てもらう担任の先生に不満を抱えてしまうと、子どもにとって環境が良くない園なのでは?と思ってしまう場合があります
 

転園方法は?

転園する場合、まずしないといけないことは「転園先を見つける」ことです。
待機児童が多い中、入園先を見つけるのと同じくらい転園先を見つけるのも難しいです。
 

転園先の見つけ方

・転居先の市町村の保育課に相談しましょう
転居先住所のある市町村の保育課を訪ね、転園したい理由を伝え他園で空きがないかを確認してもらいましょう。保育課の担当者が事情を確認し転園希望が伝われば、住民票が移動される前でも対応してくれます。

ただ、市町村によっては住民票の移動後でないと対応してくれない場合もあるので転居先が決まった段階で早めに住民票は移動させましょう。

転居先で転園可能な保育園が見つからない場合は、通園できる範囲にある「認可外保育園」や「認定こども園」などを紹介してもらいましょう。

認可外保育園とは
児童福祉法に基づく都道府県知事などの認可を受けていない保育施設のこと。

「夜8時以降の保育」「宿泊を伴う保育」「一時預かりの子どもが利用児童の半数以上」のいずれかを常時運営している施設で「ベビーホテル」があります。

認定こども園とは
幼稚園または保育所等の施設で

  • 教育基本法の学校の定義に基づき、幼児期の学校教育を行うこと(幼稚園機能)
  • 児童福祉法等に従い、保育の必要な子供の保育を行うこと(保育所機能)
  • 地域の事情や保護者の要請により、必要な子育て支援事業を行うこと

の機能を備え、都道府県が条例で定める認定基準を満たし、知事から「認定こども園」の認定を受けた保育施設のこと。
 

転園に必要な手続きは?

iStock-843595346

転園先を決めたら、転園の申請を月の10日までに行い、その後審査や面接が行われその月の20日前後に内定が決定します。

転園の内定が出次第すぐに通園している園に退園を申し出ましょう。
 
転園に必要な手続き

  1. 住民票を移動する(市町村が変わる場合)
  2. 通園している園に転園届を提出する
  3. 転園先に必要書類を提出する

必要書類

  • 支給認定申請書(2号・3号用)
  • 入園申込書
  • 保育を必要とする理由(保護者が保育をできない理由)を証明するための書類
  • 保育料決定のための税資料など

※必要書類は各市町村によって異なります。通園する園がある市町村に確認しましょう。
 

費用は?

iStock-1035432106

転園することで費用がかかる部分があります。

入園費用
転園先が「認可外保育園」や「認定こども園」の場合、施設によりますが入園金がかかる場合もあります。

転園先の制服や通園カバンなど
転園する場合、転園先の制服、体操着、通園カバンなど新たに購入することになります。小学校入学前の数カ月間など、短い期間の通園になる場合は転園先に購入するものの相談をしてみましょう。転園前のものを使っていいことになったり、園の在庫のものをレンタルにしてくれるなど対応してくれる施設もあります。

保育料
保育料は銀行口座からの引き落としが多いのですが、月の途中で入園する場合、その月通園した期間は保育料を日割り計算して現金払いする場合があります。転園先にどのような支払いになるか確認しましょう。
 

必要な書類は?

iStock-178736463

各市町村の保育課に必要書類を提出し手続きをしてもらいます。

基本的な書類は以外、各市町村により別途用意する書類がある場合もあります。申し込みの際、各市町村に確認しましょう。

必要書類

・支給認定申請書(2号・3号用)
世帯の状況と保育を必要とする理由を記入します。
※認可保育園に入園可能な認定は2号・3号認定となります。

1号認定:3歳以上、保育を必要としない子ども
2号認定:3歳以上、保育を必要とする子ども
3号認定:3歳未満、保育を必要とする子ども

・入園申込書
保育を必要とする理由、入園希望時期、入園後の送迎をする人の氏名、別居の祖父母の状況、父母の勤務状況、申込児童の保育や健康状況などを記入します。

・保育を必要とする理由(保護者が保育をできない理由)を証明するための書類
勤務証明書、勤務予定証明書(内定通知など)、就労状況申告書(自営業などの場合)など、父母両方分が必要です。
勤務証明書など、会社に用意してもらうものは早めに会社に申請し用意してもらいましょう。

・保育料決定のための税資料
マイナンバーで税収入が確認できる場合もありますが、マイナンバーで確認できない場合は「特別徴収税額の決定通知書」の写し「所得課税証明書」の写し「非課税証明書」の写し、いずれかの提出が必要です。
 

手続きの流れは?

その1:通園している園に転園届を提出する

通園している園に退園理由を伝え、退園の手続きをしてもらいましょう。
退園の1カ月前には退園する旨を伝えるのが一般的です。
 

その2:転園先に必要書類を提出する

必要書類

  • 支給認定申請書(2号・3号用)
  • 入園申込書
  • 保育を必要とする理由(保護者が保育をできない理由)を証明するための書類
  • 保育料決定のための税資料など

※必要書類は各市町村によって異なります。通園する園がある市町村に確認しましょう。

その3:転園先に子どもと一緒に見学に行く

転園先に入園する前に、子どもと一緒に転園先に行きましょう。急に転園先に通園することになると子どもが不安になり「保育園に行きたくない!」ということになる場合もあります。転園先の通園日前に子どもと一緒に通園先に行き、雰囲気を掴んできましょう。通園先に1日体験入学等ある場合は積極的に行いましょう。

その4:転園先で必要なものを用意する

子どもと一緒に転園先に出向いた際、転園先で必要なものを確認し用意しましょう。転園先の制服、体操着、通園カバンなど新たに購入しないといけないものはその場で注文し、通園までに間に合うように用意してもらいましょう。

その5:退園先への挨拶

どのような理由であれ、退園する園にはきちんと挨拶をしましょう。園やお世話になった先生方へは菓子折りを持って行きましょう。
 

まとめ

iStock-674292156

せっかく入園できた保育園も通ってみたら子どもが馴染めなかったり、園の方針に「あれ?」と思うことがあるかもしれません。転園は子どもにとっても大きな環境の変化になります。しっかりと子どものフォローをし、子どもも親も気持ちよく過ごせる環境を作りましょう。