現在の職場環境や仕事内容などに不満があり、転職しようかどうしようか迷っている場合、まずは少し転職活動してみることをおすすめします。なぜかといいますと、転職には年齢と深い関係があるためです。少しでも若い方がいいともいわれている転職、タイミングなども重要な要素になっています。今回は、転職と年齢の関係を中心にみていきましょう。
何歳で転職する人が多い?
何歳で転職している人が多いのでしょうか。これを知ることで、ご自身の転職が可能かどうかの参考にすることができるでしょう。また、転職がうまくいかない方がいるかもしれませんが、実は年齢がネックになっているのかもしれません。
平均的に何歳で転職していると思いますか。近年では、年齢や男女の制限などを求人欄での記載を見なくなりましたが、これは、平成19年より求人募集に年齢の制限を設けることは違法となったためです。
そうすると、実際にはどのくらいの年齢の人が転職に成功しているのか、企業がどの年齢層を欲しているのか、分かりづらくなっています。
(1)平均は31.6歳
転職エージェントサービスを提供している「doda」が半年ごとに実施している調査を参考にしてみますと、2018年上半期の調査の場合、転職に成功した平均年齢は31.6歳となっています。
20歳から59歳を対象としたアンケート調査で、有効回答数は3,000人となっています。いかがでしょうか、若いでしょうか、意外に若くないという印象でしょうか。
(2)年齢層では25歳から29歳
次に年齢層別でみてみますと、最も多かった年齢層が25歳から29歳の39.6%になっています。次に多かったのは、30歳から34歳の23.3%、そして、40歳以上の14.4%になっています。
転職に成功した人の平均年齢は、30歳を超えているのですが、実は25歳から29歳までの年齢層が最も多いという結果になっていました。
これは、昔から変わらない風潮といえます。以前は、30歳の壁というものがありまして、「30歳まで」という求人が多かったのです。そのため、30歳後半や40歳代でリストラに遭ったり、会社が倒産してしまうと、転職しようとしても、転職する会社がなく、困り果ててしまうという社会情勢があったほど。
統計をみますと、30歳超えや40歳以上の割合も比較的増えているのが分かります。これは、若手の人数が少子化により減っているため、企業が若手を欲していても集まらないというのが原因かもしれません。
また、ITベンチャー企業に関しては、ある程度即戦力となる人員、特に技能を持ったエンジニアが必要になることが多いため、年齢層が多少高くでも、採用に至っているのが要因かもしれません。
求人募集に関して、年齢制限を設けることができなくなりましたが、結局のところ、それほど現状は昔と変わっていない、やはり若手を欲するということが読み取れます。
参考:https://doda.jp/guide/age/
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/topics/tp070831-1.html
転職の年齢制限は?
さて、40歳以上でも転職に成功している人はいますが、実際に転職について年齢制限があるのでしょうか。
求人の年齢制限を設定してはいけないことになっていますが、実際には35歳限界説が有力にささやかれています。
なぜ35歳が限界なのでしょうか。確かに、先ほどのデータからしても、34歳までの年齢層で73.2%になってしまいます。ほとんど35歳までの人が転職に成功していると読み取れます。
そもそもなぜ35歳までなのでしょうか。これは、35歳くらいがちょうど管理職になるかならないかの境目、いわゆる平社員・スタッフ職として採用できる年齢の限界になるとされているためでしょう。
実力社会といえども、年下の上司にあれこれ指示されたり、注意されたり、こんな経験をするのをつらいと思う人も多いのです。
リストラに遭った人がなかなか転職できなかった時代は特に、年功序列制度が多く残っていたため、年下管理職にこき使われたくないと思ったのも、理由とされています。
また、未経験などではやはり30歳以下が好まれるようです。結局、何年働いてもらうことができるのか、会社の年齢バランスが考慮される結果なのかもしれません。
ただし、35歳以上の転職成功者もそれなりにいます。これは、ITベンチャー企業など、育てる土壌がない会社にとって、即戦力となる人員は非常に重宝されるということが理由のひとつでしょう。
とくにエンジニア職などは顕著です。いちから育てるには会社としてはコストがかかります。こうしたコストをかけられない企業が多くなっているのです。特にITベンチャー企業は、新卒を採用せず、中途採用で即戦力となる人を採用しています。新卒の枠ではなく、インターンなどで仕事に関わっている学生で、筋がいい人材に注目して、入社してもらう、という流れになっている場合も。
こうしたことにより、年齢制限はあるものの、以前に比べて絶望的ではないとみることができます。しかし、逆に年功序列制度が崩れ去っている現代においては、年下上司という可能性もかなり高いということができるのです。
即戦力を重視するIT企業では、平均年齢が30歳前後の場合が多いため、管理職レベルでも若い人になっています。
転職を決めるタイミングは?
転職したい、と思ってもなかなか踏み切れない方も多いのではないでしょうか。転職を決めるにもタイミングがあります。タイミングがズレると損をすることもありますので、ある程度タイミングを視野に入れて転職することがおすすめです。
(1)年齢はなるべく若い方がいい
転職は、若い人が有利になります。そのため、なるべく早めに動くことがおすすめです。他方、転職したばかりなのに、すぐ転職活動するのは、若くても印象が悪いので、おすすめできません。ある程度の期間、新しい職場でがんばってみてから、転職活動するようにしましょう。
(2)昇進後か昇進前か
今いる会社でそろそろ昇進しそうだけれども、転職したいという場合、昇進してからの方がいいのでしょうか。これは、昇進前に転職するよりも昇進後に転職した方が、転職市場では有利になるとされています。
昇進すると、マネジメントも任されるようになり、管理職としての経験が、転職後の会社でも経験として認められるためです。しかし、昇進してすぐに転職してしまうのは、今いる会社の人員計画からしても誤算が生じることになり、円満退職できないかもしれません。また、転職後の会社としても、重要な仕事を任されたのに、放棄するような印象になってしまいます。1年などある程度実績を積んでから、転職を検討するのがベストでしょう。
(3)出産前かと出産後か
出産前に退職して転職するのは、なかなか難しいかもしれません。そもそも産休や育休を取得して、戦力にならない人材を採るほど余裕がある会社は少ないためです。また、転職後1年は育休を取れません。
しかし、出産後に転職活動をするのは、時短取得や育休の取得などにより、採用される可能性はとても低くなる傾向です。そのため、妊娠を考えていて、なお転職を検討している場合は、できる限り早く転職してしまい、実績を積むようにすることをおすすめします。
ある程度、実績を積み、産休に入れば、職場復帰も周囲から歓迎されるでしょう。
(4)住宅を購入する前か後か
住宅を購入するためには、ローンを組む人がほとんどです。ローンは、勤続年数が長い方が有利になります。そのため、転職前に購入し、ローンを組んでおくことをおすすめします。信用が重視されることとしては、他にクレジットカードの新規発行です。転職前に発行してもらいたいクレジットカードは申し込んでおきましょう。
(5)時期的なタイミングは?
転職の求人は、4月入社や1月入社など区切りがいい時期に合わせて、求人が増える傾向があります。退職する人も、その区切りでする人が多いためです。そのため、10月頃から2月頃までは求人が増えてくるタイミングですので、転職を検討している方は、この時期に求人サイトなどをチェックしてみるといいでしょう。
まとめ
転職と年齢についてみてきました。やはり30歳前後に転職するのが、年齢的に有利であるといえましょう。しかし、即戦力として有利な人材ならば、もう少し経験を積んでからでも、転職可能になっています。
他の企業でも通用するスキルを身につけていくことを重視して働いていくと、転職にも有利になる可能性を高めることができます。