面接で緊張しないためにするべきことは?
転職活動や就職活動において、最も緊張するのが面接ですよね。しかし、企業側が求職者の人柄やスキルをチェックする時間でもありますし、求職者側も企業側の雰囲気を感じたり、質問して理解を深めたりできる重要な機会でもあります。
今回は、緊張しないために面接までの間にするべきことと、面接の直前に緊張をほぐす方法をお伝えいたします。
・事前準備を念入りに行なうこと
まず、最も大切なのは面接に対する事前準備です。事前準備が必要な理由は大きく2つあります。1つは、もちろん面接できちんと自分の言いたいことを伝えたり、自分自身をアピールしたりするため。もう1つは、心にゆとりを持つためです。
人間というのは、先が不明瞭でどうしたらよいのかわからないとき不安を抱くもの。自分の将来について考える時も、漠然と「何がしたいんだろう……」という状況では不安ですし、「これがやりたいんだ!」というものがあれば、やる気が出てきますよね。それと同じで、面接が漠然としたものではなく、具体的にどのような場になるのかを想定できれば不安は軽減されるのです。どういう質問が出そうなのかを想定し、それにはどう答えるのかをきちんと自分の中で整理しておくと、面接の場を想像しやすくなり、不安も減るでしょう。
また、自分自身の『軸』というものを決めておくことも重要です。船は錨があるから海の上に浮いていても流されてしまわないですよね。それと同じで、話の軸をしっかり持っておけば、たとえ想定外の問題をされてもきちんと考えの起点としてそこに戻ってくることができ、考えをうまくまとめることができます。自分は次の会社で何がしたいのか、何を実現したくて転職活動をしているのか、をしっかりと考えておき、もし想定外の質問をされたら、そこに立ち返るのです。もし想定していない質問で不安になったとしても、「こうすれば対処できるかも」と思えるだけで、だいぶ心の余裕は変わりますよね。
また、面接の練習は必ず声にだして行なうようにしましょう。頭の中で「この質問が来たら、こう答える。これには、こう答える」と考えていても、実際に口に出してみるとどんどん変わってしまうもの。よく聞かれるような質問は頭で覚えるよりも、口に覚えさせるほうが早いのです。頭ではよどみなく答えられても、口に出してみると全然喋れなかった、という失敗は意外と多いもの。口で話す時は言い間違えたり、詰まったりするものですが、頭の中で考えている時はそんなことにはなりませんよね。
ですから、必ず口で話す練習をしておきましょう。練習相手になってくれる人がいるのであれば、付き合ってもらうのがベストですが、一人でも効果的です。今はスマホの録音機能なども充実していますので、自分の回答を一度実際に聞いてみるといいでしょう。その声を聞いて、「この人を採用したいと思うか?」と一度考えてみるといいと思います。
個人的な話になってしまいますが、筆者は学生時代教育実習に行ったことがあります。最初にクラスメイト36名や、自分のクラス担任の先生、教科担任の先生、他の同じ教科を受け持つ学生たちの前で話すのは、どれだけ緊張したことでしょう。実際、あまり大勢の前で話をする機会って、そうないですよね。だからものすごく緊張しました。言葉が出てこなくなるし、クラスが静まり返ってしまうこともある、子どもたちが戸惑っているのが目に見えてわかるのです。かなりのプレッシャーでした。しかし、それを3週間繰り返し、何度も教壇に立つうちに緊張よりも楽しく感じるようになっていきました。それでも、子どもというのは想定外の質問をしてくるもの。それをどう交わすか、どう対処するかを考えるのも楽しくなるようになりました。緊張というのは、本当に「慣れ」でどうにかなるものです。
私が授業にいち早くなれるためにやったことは、前日に翌日の授業をすべて実際口に出して進めて録音し、聞いてみるのです。そうすると、聞きながら「あ、ここでこんな質問が生徒からきそうだな」とか、「ここでこんなふうに話せば、もっとわかりやすく伝えられるな」というのがわかってくるのです。ですから、そこで出てきた質問や工夫を盛り込んで、もう一度やってみる。二度目なら、もうだいぶ余裕は出ているはずなので、「ここの話を少し突っ込んで聞いてもらいたいな」と思ったらそこにアクセントをつけてみたり、話を誘導できるように工夫してみたりと、様々なチャレンジをしてみましょう。そうしているうちに、面接でうまく相手の話を誘導していくことができるようになります。
・緊張自体は悪いことではなく、緊張して話したいことが話せないことが一番良くないのだと知る
緊張してしまうとパフォーマンスが落ちるというのは、みなさん直感的に分かっていることだと思います。緊張しているとどうしても早口になったり、うまく言葉が出てこなくなったりしますよね。とはいえ、「緊張=悪いこと」というわけではありません。緊張していても、平常通り、もしくはそれ以上のパフォーマンスが発揮できるようにするのが事前準備なのです。
緊張してはいけない、のではなく、そのせいで良いパフォーマンスができなくなることがいけない、という捉え直しをすることで、緊張した自分を責めることはなくなります。人間誰しも、他人に自分を評価される際は緊張してしまうもの。それでも強い心を持ち、きちんと冷静に対処できるようにならなくてはいけません。面接はそのための練習だと思ってもよいでしょう。
緊張をほぐす方法は?
さて、面接の直前。事前準備をいくらしたって、少しくらいは緊張してしまうものです。直前になってもできる緊張をほぐす方法をご紹介いたしましょう。
・面接前に笑顔の練習をしておく
緊張してしまうと、顔の筋肉が固まってしまい、笑顔で話すこともできなくなってしまいます。終始硬い表情で話をされるよりは、笑顔の素敵な人だな、と思ってもらいたいですよね。面接を受ける際は、とりあえず口角を上げて笑顔の練習をしておきましょう。きちんと顔の全体を使って笑顔を作り、話せればきっと、素敵な笑顔だと思ってもらえるはずです。
・体の筋肉をほぐす
顔の筋肉と同じで、体の筋肉も凝り固まってしまうもの。首を回したり、股関節から足を曲げてみたり、腕を回したり、体全体の筋肉をほぐして、リラックスしておきましょう。外でするのは少し恥ずかしいですから、トイレの個室などでささっと行なうと良いかもしれません。
・自分の好きなものの写真を見る、音楽を聞く
面接の前に、スマホに自分の好きなものの写真や音楽を入れておいて、一瞬だけでも緊張や面接から逃れられる時間を作りましょう。大事なペットが居るのであればその写真、好きなアイドルや芸能人がいるなら音楽や写真、動画などを見ても構いません。一瞬でもいいので張り詰めた気持ちの糸を緩めてあげてください。
まとめ
自分自身に緊張するな、と命令しても従ってくれないのが緊張の厄介なところですよね。しかし、それはそれで仕方がないと割り切ってしまいましょう。緊張しても、普段以上のパフォーマンスが発揮できる人もいるし、もしそうなれたら今後のキャリアでもいかせると思いませんか? 緊張してしまう自分を嫌がらず、「私は緊張していてもやれる」と思える自分になりましょう。