面接で「尊敬する人」を聞かれたら?回答のポイントと回答例
新卒採用・中途採用問わずに、面接の場で「尊敬する人は誰ですか?」と問われることは少なくありません。急に聞かれると答えるのが難しい質問なので、事前に回答を考えて面接に臨みましょう!
今回は、「尊敬する人」を問われた時の回答のポイントと回答例をご紹介します。
尊敬する人を聞かれたら?
面接官はなぜ「尊敬する人」を聞くの?
志望理由やキャリアプランを面接で聞く意図は分かりやすいですが、そもそも「尊敬する人」はなぜ聞くのでしょうか。実は面接官は、こんな意図で聞いています。
・本人の自己分析力
尊敬している人物の強みや性格を、自身も身に付けたいと思うはずです。そのため、尊敬する人や尊敬する理由を具体的に答え、これからどうすれば尊敬する人に近づけるのかを説明できることで、「自身の強みや弱みを把握している。弱みを改善するためにこれから努力してくれそうだ」と判断してもらうことができるのです。
・応募者の価値観・性格
尊敬している人物や尊敬しているポイントを知ることによって、応募者の価値観・性格を知り、企業の社風やビジョンなどとマッチしているのかを判断します。また、応募者が求めているキャリアビジョンと、企業が求めている働き方が合っているかも見ています。
・応募者のプレゼンテーション能力
面接用に用意した回答であれば、説得力に欠けるためうまくプレゼンテーションできません。逆に、「尊敬できる人物のどんなところを尊敬していて、それをどう仕事に繋げたいのか」まで説明できれば、自己アピールや熱意を伝えることもできるので、プレゼンテーション能力は高いと判断されます。顧客へのプレゼンテーションが必要な営業職はもちろんですが、実際は営業職以外でも会議や商談の場でプレゼンテーションの機会があるので、営業職以外への応募だからと言って気を抜かないようにしましょう。
尊敬する人を聞かれた時のポイント
・文脈は「尊敬する人→理由→これからの自分」
面接で尊敬する人を聞かれた時の回答は、「尊敬する人物名→尊敬する理由→これから仕事などで自分はどうなりたいのか」と言う流れにしましょう。人物名や理由だけで話し終わってしまっては、単に人物紹介で終わってしまいます。しっかり、今後のビジョンに繋げるよう工夫してくださいね。
・実績ではなく人間性や資質に焦点を当てる
尊敬する人で偉人・著名人を挙げる場合、偉業や実績に焦点が向きやすいですが、面接での回答の際には人間性や資質にフォーカスして話しましょう。輝かしい栄光も、その人の資質なければなしえないものです。その資質をどのように尊敬しているのかが、面接では大事なのです。
面接での回答例
面接に臨む際には、事前に「尊敬する人」を考えておきましょう。どの人物の、どんなところを尊敬できるのかを具体的に考えておくことが大事です。
それでは、先述のポイントを踏まえて「尊敬する人」の回答例をご紹介します。
母親
尊敬する人で挙げられることの多いのが、ご自身の母親。「仕事と家庭を両立した」「20年間、家族を支えてくれた」という内容は、他の応募者も答えがちです。更に掘り下げて、母親の人間性や資質にフォーカスした内容だと、他の応募者と一味違う内容になって面接官の印象にも残りやすいでしょう。
「私は、母親を尊敬しています。20年以上も仕事と家庭の両立をしてきた母は、まさに私が目指している女性像です。そんな母は、非常に勉強熱心で、私が宿題をしている横で資格の勉強を毎日していました。そして、経理職の仕事に必要な資格をいくつも取得し、現在は企業の経理と財務の責任者をしています。貪欲に学びに打ち込む姿と、家庭があっても責任ある仕事に挑戦するチャレンジ精神を、とても尊敬しています。私も自分のキャリアアップのための学びを欠かさずに、結婚や出産という節目があっても御社でキャリアアップを実現していきたいです。」
学生時代の恩師
スポーツ選手へのインタビューなどでも、学生時代の部活動の恩師などは尊敬する人物として名前が挙がりますよね。特に多感な中学時代や高校時代は、恩師との出会いで人生に影響が与えられたという人も少なくありません。実際、恩師のようになりたくて教師を目指す人も多いようです。
「私が尊敬しているのは、高校時代の部活動の恩師です。私は部活動でキャプテンをしていたのですが、人間関係に悩んだこともありました。そんな時はいつも真っ先に、顧問の恩師に相談していました。いつでも真剣に話を聞いてもらい、部員にどのように接してどんな言葉をかけたらいいのかをアドバイスしてもらいました。アドバイスを実践したことでチームはとてもまとまり、県大会での優勝をつかむこともできました。恩師からのアドバイスによりマネジメントの楽しさに気づくことができたのです。恩師の、いつも真剣に相手の立場になって接する姿勢、相手の話を聞くヒアリング力、適切なアドバイスをする提案力は、これから私が営業職として活躍していくための見習うべきポイントです。」
偉人・歴史上の人物
偉人や歴史上の人物も、尊敬する人として挙がります。面接官も知っているので、その人物がどんな人柄・資質なのかを分かってもらいやすいとも言えます。しかし、偉人は会ったことのない人なので、抽象的にならないようにしましょう。
「私は“生き聖人”とも呼ばれていたマザー・テレサを尊敬しています。誰にでも慈愛に満ち、自分を犠牲にしてでも誰かの役に立つという生き方に感銘を受けました。相手の目線で思いやりを持って接することで、感謝と感動が生まれると思います。御社のサービスも“世界中の人の役に立ちたい”という想いからできたと聞き、マザー・テレサの考えと通じるところがあると感じました。私も、相手の立場になって物事を見て、思いやりを持って接したいと思っています。」
スポーツ選手・芸能人
テレビなどで活躍している姿を目にするスポーツ選手や芸能人ですが、その輝かしい姿の裏側には大きな努力があります。そんな姿を尊敬できると思う人も多いようです。
「私は尊敬しているのは、なでしこジャパンの元キャプテン澤穂希選手です。女子サッカープロリーグの休止や廃止、ご自身の病気にもめげずに、高いリーダーシップで女子サッカー界をけん引し、多くの選手から慕われています。その姿は、まさに理想とする女性リーダー像です。また、澤さんは次世代のキャプテンを育ててから引退されたので、人材育成の資質にも長けています。私は、澤さんのようなリーダーシップとマネジメント力を得たいと思っています。」
まとめ
面接で「尊敬する人」を聞かれた時のために、普段から「これから自分は、どんな人物になりたいのか」を意識しているといいでしょう。新卒採用面接でも中途採用面接でも聞かれることが多い質問なので、自己分析をしっかりと行って、事前に尊敬する人を考えていきましょうね。企業の社風やビジョンまで盛り込んだ内容や、これからのキャリアビジョンを盛り込んだ内容にすることで、熱意も伝えることができますよ!
面接は、最初から最後まで自己アピールの場。「尊敬する人」でも、自分をアピールしてくださいね♪