面接において面接担当者から「最近気になるニュースは?」と聞かれることがあります。この問いに対して、きちんと答えないと、採用の可否に影響してしまうのをご存じでしょうか。そこで今回は、気になるニュースについて、なぜ聞かれるのか、どんな風に答えるのがベストなのかという点を中心にお伝えします。
面接で気になるニュースを聞かれる理由は?
面接で、最近気になるニュースについて聞かれることがありますが、その理由として以下の5つが挙げられます。
・日頃から情報についてきちんと興味を持っているかどうか
・志望業界について興味関心を持っているかどうか
・ニュースについてきちんと理解しているかどうか
・自分でその情報を咀嚼しているかどうか
・自分の考えを持てているかどうか
順番にみていきましょう。
1.日頃から情報についてきちんと興味を持っているかどうか
ニュースとひとことでいっても、政治や経済に関すること、ゴシップに関することなどさまざまです。そのため、日頃どんなニュースに興味を持っているか聞くことによって、その人の興味関心をみています。
特に、「気になるニュース」という点がポイントで、これは、その人が最近最も気になったニュースといっても過言ではありません。強烈に印象に残っていなければ、人は他人に語ることができないからです。
このようなことから、その人に気になるニュースを聞くことは、日常的に情報のアンテナを張り巡らしているかどうかをみることができる問いといえます。
2.志望業界について興味関心を持っているかどうか
気になるニュースをたずねたとき、面接官は想定しているニュースがある場合があります。たとえば、その会社の業界で起こったニュースがあったときなどです。大きなニュースの場合は、ニュース番組やネットニュースでも騒がれるためです。
そのため、気になるニュースについて聞かれたときは、志望している会社の業界に関連するニュースを挙げるのがよいでしょう。
たとえば、旅行会社に転職使用としている場合は、新幹線の混雑率のニュースやGW期間中の海外旅行客の増減についてなどがあります。
また、業界内でのニュースは、会社に入社後、社内での共通の話題になります。社内でのやり取りや話すきっかけなどにも役立ちます。そのため、今から業界内のニュースについてはチェックしておいた方が、仕事をする上で役立ちますので、面接だけのためではなく、結果的には入社後の自分の役に立つのです。
他方、商社などさまざまなニュース、特に日経新聞を読んでいることが共通言語になっているような業界では、突然「今日の日経で気になるニュースは?」と限定されることもあります。「読んでいません」では採用が厳しくなってしまうため、こうした特殊な業界かどうか業界研究もしておくといいでしょう。
なお、転職の場合、自身のスキルアップになるためにする場合が多く、同じ業界の場合もあります。こうした場合は業界の共通言語をきちんと把握しているでしょうが、転職するからもういいやと、情報収集を怠らないようにしましょう。
3.ニュースについてきちんと理解しているかどうか
ニュースをきちんと理解しているかどうかも重要です。これは、情報をきちんと理解しようという姿勢があるかどうかをみています。他人にニュースについて語ることは、そのニュースをきちんと理解した上でないと難しいのです。
もし間違えて理解して語ってしまうと、信用力が失われてしまうことにもなります。このようなことから、適当に聞きかじったニュースについて語るのではなく、きちんと理解しているニュースを選んで話題にしていきましょう。
4.自分でその情報を咀嚼しているかどうか
ニュースについて、自分で理解するためには、その情報を咀嚼しなければなりません。きちんと理解して自分のものにしているかどうか、これは、仕事を覚えて自分でそれを発展させるような力があるのかどうかを見ることができるのです。分からない点があれば、調べておく癖をつけましょう。
5.自分の考えを持てているかどうか
最後に、気になるニュースについて、どう気になったのか、どう考えたのか、についてきちんと答えられるかどうかがポイントになります。
仕事では、ルーティーンワークだけではなく、仕事における問題点を発見して、改善できるポイントなどを提案する場合もあります。そのため、ニュースを自分のものにし、どう考えたのかをきちんと伝えられることもこうした力を示す重要なポイントとなるのです。
ただなんとなく気になった、というのは、答えとして適切ではありません。
このようなことから、気になるニュースについては、日頃からアンテナを張り巡らしておき、面接で聞かれたらこのニュースにしようと予め情報収集をしておくなど対策をしておきましょう。
答え方のポイントは?
気になるニュースについて、面接官にどう言えばいいのでしょうか。答え方のポイントは以下の3つになります。
・結論から言う
・短く簡潔に示す
・他人に分かりやすく伝える
1.結論から言う
「私の最近気になったニュースは~です。」と結論を先に述べるようにしましょう。面接官はあなたの頭の中を見ることができません。予めこのニュースと示して方が分かりやすく伝わるのです。
2.短く簡潔に示す
面接で初めて言う内容は、話した内容がすべてです。履歴書や職務経歴書に書かれた内容について話すことは、ピンポイントに伝えれば問題ありませんが、ニュースについては何も事前に伝えていません。資料もないのでプレゼンにもなりません。その場できちんと自分の考えを伝えられるかどうかが重要なのです。
3.他人に分かりやすく伝える
先ほどの重なる部分もありますが、面接官に分かりやすく伝えられるかどうかです。特に営業職などを志望している場合は、取引先に対して短時間で、分かりやすく自社の商品などについて伝えなくてはなりません。
同じように、面接官に対して、短い時間で自分の考えをきちんと伝えられる力をつけておくことが大切なのです。
気になるニュースの回答例は?
それでは、どう回答すべきか例を挙げます。参考にして、ご自身の伝え方を検討してみてください。
ニュースの例として、沖縄の観光客がハワイの観光客人数を超えたというものを取り上げます。旅行会社に転職したいと面接を受けているという例になります。
(例)
私が最近気になったニュースは、2017年の沖縄県を旅行した観光客人数が、同年のハワイの数を超えたというものです。
(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26488690S8A200C1LX0000/)
私はこの夏、数年ぶりに沖縄旅行へ行きました。そのとき、以前に比べて国際通りに活気が出てきたことを不思議に思っていたので、このニュースについて納得できたのが印象的だったのです。
ただ、ニュースをよく読むと、平均滞在日数は沖縄の方がかなり短く、平均消費額もかなり少ないというのです。そのため、沖縄観光をより魅力的なものにできるビジネスチャンスがあるのではと考えています。
まとめ
ニュースについては、毎日新しいものが生まれてくるため、常にアンテナを張り巡らしておかないと、古い情報になってしまいます。
仕事しながら転職活動をしている場合は、時間調整が大変で毎日が忙しくニュースを把握する時間もないかもしれません。
しかし、今はスマートフォンという便利なものがあります。通勤途中でニュースをチェックするだけでも、気になるニュースは出てくるはずです。少しの時間でも面接対策として役に立ちますので、情報収集を心がけていきましょう。