就職活動や転職活動で面接を受けるとき、趣味を聞かれることがあります。
「まさか聞かれるとは思っていなかったので、答えられない!」
「こんな趣味、答えて大丈夫?」
趣味、という軽めの内容だけに、本気の面接でどこまで答えれば採用につながるのかがいまいちわからない。
そんなお悩みを解決すべく、面接で趣味を聞かれた時の対策をまとめました。
面接で趣味を聞かれるのはなぜ?
趣味、というと多くの方は娯楽が大半でしょう。
なぜ面接で趣味を聞かれるのか、それがどうして採用にかかわってくるのか、少し疑問に思いませんか?
実は、そこには明確な理由があるのです。
1.あなたの人柄を知るため
面接官は、趣味の話を通してあなたの人柄を知ろうとしています。
どんなことに興味を持ち、どれだけ熱中できる人なのか。
どんな思いをもって趣味に励んでいるのか。
なぜ、その趣味に惹かれるのか、どんなことに価値を感じる人材なのか。
こんな人なら自社の社風にぴったりだ、と会社との相性を見られていることもあります。
趣味の話ひとつとっても、深く掘り下げればその人の理解につとめることができるのです。
そこまで深く聞かれてもわからない!と思うかもしれませんが、たかが趣味、と侮らずに事前に自己分析しておくと良いかもしれませんね。
2.あなたの技能を知るため
趣味を聞くことで、面接官はあなたの本職以外の技能を知ることもできます。
スポーツが趣味、という方ならわかりやすいかもしれません。デスクワークだけでなく体を動かすことも積極的にできる人、と印象付けることができますよね。
あるいは明らかにスポーツ万能に見えるし実際にジムに通ったりしている、という人でも、実は無類の読書好きで、情報収集能力に長けている、といった一面を知ることにもなるかもしれません。
また、趣味の質問は面接で飛び出す質問の中でも比較的イレギュラーで自由度が高く、どんな質問が面接官から聞かれるのか想定しにくいといえます。
そこで臨機応変に答えることで、あなたのコミュニケーション能力を図ることもできるようです。
3.あなたの情熱を知るため
多くの人は、趣味に熱中した経験がおありかと思います。
面接で趣味を聞かれたら、自分の趣味にかける思う存分発揮しましょう。
なぜならば、面接官は趣味の話を聞いてあなたの熱意を知りたいと思っているからです。
何かに熱中・没頭できるというのは、それだけでひとつの才能。
これだけ何かに熱中できる人材であれば、入社した後も同じように仕事に打ち込んでくれることを期待します。
企業も人ですから、情熱を持った人と一緒に仕事したいと考えているのですね。
気をつけるべきポイントは?
趣味と一言でいってもその幅は果てしなく広いですよね。
回答も千差万別、基本は自由に答えれば間違いないですが、以下の3点には気をつけましょう。
1.自分の本当に好きなもの、得意なものを答える
一番大切なのは、あなたの趣味にかける熱意・想いが伝わることです。
かっこいい趣味を答える必要はありません。本当に好きなもの、得意なものについて話しましょう。
間違っても嘘をついたりしないように。後になって嘘をついていることがわかったとき、あなたの信頼度はがくっと落ちてしまいます。
2.ネガティブな趣味は言わない
自由に趣味は話すといい、とはいえ、ネガティブな趣味やあなた自身がマイナスイメージになる趣味は控えましょう。
例えば、「買い物をしてストレスを発散する」だと、金遣いが荒い人、というイメージがついてしまいそうですよね。
「電車の中で人間観察をすること」「2チャンネルを見ること」でも、どちらかといえばネガティブな印象を受けます。
あなた自身をよく魅せるための趣味を選んで話しましょう。
3.興味をひく内容を盛り込む
読書や音楽鑑賞が趣味では仕事につながらないからNG、といった指摘もたまにありますが、そんなことはありません。
大切なのは、面接官に興味を持ってもらえるような内容であること。
例えば読書でも、「月に必ず30冊は読むようにしています」というような具体的、それも圧倒的な数字が出ることで、興味を持ってもらえるでしょう。
月に30冊も読むための時間の管理はどうなっているのか?30冊を選ぶ基準、本の情報はどこから得ているのか?など、掘り下げるポイントが盛りだくさんです。
「映画鑑賞」「ネットサーフィン」など少々地味に感じる趣味でも、魅せ方次第ではあなたの能力をアピールするチャンスに変えることができます。
まずは自分で掘り下げて、その趣味の新たな一面を発掘してみましょう。
回答例は?
では、上記のポイントを盛り込み、面接で趣味を聞かれた時の回答例を考えてみます。
ここでは3つご紹介しましょう。
1.読書
私の趣味は読書で、年間に300冊ほど読みます。
なぜ読書が好きなのかというと、自分の知らない世界を知り、価値観を知り、視野を広げるきっかけを与えてくれるからです。
例えば、大手飲食チェーンの社長の半生を描いた「熱狂宣言」という本では、飲食業界の実態や、人に愛される社長の人柄、そうした人柄が大きな結果をつくっていることや、大きな困難があっても乗り越える情熱の深さを知ることができ、自分自身の生活はどうか、と見直すきっかけにもなりました。
世の中には病気を抱えてもなお前向きに生きる方もいると知り、五体満足な自分にはもっと何かできるのではないか、何ができるのだろうか、と考えるようになりました。
いつも、通学(通勤)時間や朝起きたあとの30分など、時間を決めて読むようにしています。読書をすることで生活のリズムが整い、タイムマネジメント能力もつきました。
2.マラソン
私の趣味はマラソンです。
一度42.195㎞を走り切った時の達成感が忘れられず、3年以上走り続けています。
毎年必ず大会に出ると決めて日々ジョギングをしたり、食生活を意識したりと、コンディションを整えるようにしています。
おかげで常に健康を維持できるようになり、大会当日にベストのコンディションで臨むための計画力と実行力がつくようになりました。
3.旅行
私の趣味は旅行です。
知らない土地に行って新しい刺激を受けることに魅力を感じ、大学時代は47都道府県を制覇したこともあります。
旅行に行くときは、最初は事前に入念な調査をして、最適なルートとうまくいかなかったときの対処法をしっかり計画してから行ったので、計画力が身についたと感じています。
情報収集もかなり効果的に進めることができるようになりました。
近い場所になると特に計画することはなくても、イレギュラーな事態にも対応することで臨機応変に考え、行動するスキルも上がっていると思います。
また、現地で新しく出会う人との交流を経て、コミュニケーション能力もあると自負しています。
まとめ
厳格な面接の場で、突然「趣味」についてたずねられたら、何だか拍子抜けしてしまうかもしれません。
趣味とはいえ、大切な自己アピールのチャンスです。
一番はあなた自身の熱意をしっかりと伝えること。そして可能であれば仕事につなげられるような趣味のアピールをしましょう。
人は、好きなものの話をしていると輝きます。
もし取り繕ってそんなに好きではないモノを無理やり趣味に設定すれば、それが嘘かどうかくらい、面接官にはわかってしまうでしょう。
また、好きなモノの話がウケるからといってあまり長々と話をしすぎてしまうのも禁物。
事前に趣味の質問が来ることを想定して、適度な長さで話ができるよう、原稿を用意しておくことがおすすめです。
事前に原稿でその趣味を選んだ理由、その趣味の醍醐味などを追及してみれば、趣味も自分ののことも、もっと好きになってしまうかも。
ぜひ試してみてくださいね。