待機児童問題がいまだに解消されず、保育園探しは子育て世代にとって大きな問題となっています。共働き世帯では、子どもを保育園に預けられるかどうかで、妻の職場復帰の時期が左右されてしまうほど。わが子を保育園に入れるために保護者が活動することに「保活(ほかつ)」という名称が付くほど、保育園に入れることは大変なイベントです。

仕事に復帰したい・仕事を始めたいと思っている人にとっては、いつから保活を始めて、どうすれば保育園に入れることができるのか気になるところかと思います。筆者の子どもも、保活をくぐりぬけて保育園に入園しました(現在は認定こども園になりましたが)。筆者の体験を交えながら、パパ・ママに向けて保育園入園のポイントを解説します。

 
 

保育園の申し込みはいつから開始?

認可保育園とは、国の基準をクリアして各地方自治体に認可された保育施設のこと。運営しているのは各市区町村や社団法人など園によって異なりますが、どんな場合にも運営の資金源は公費。つまり、認可保育園の申込みは各市区町村に届け出ます。

認可保育園の入園申し込みは、各市区町村の役所の保育課などで、基本的には毎月行っています。毎月10日前後に申し込みを締め切り、20日前後に各家庭の状況を選考して入園できるかどうかの結果が自宅に届くという流れになります。しかし、2月・3月は園児の募集をしていない自治体も多いので、役所で確認しましょう。

しかし、認可保育園は自治体によっては狭き門…。そんな時の選択肢として、認可外保育園(東京都では認証保育園と呼びます)があります。ちなみに認可外保育園とは、国が定める基準を満たしている認可保育園以外の保育園の呼称。

認可外保育園へ申し込む場合は、その園へ直接申し込みます。定員に空きがあれば先着順で入園できる保育園もあれば、面接をしてから入園を決められる園もあり、選考方法は園ごとに異なります。

認可外保育園では、妊娠中から申し込みを予約することもできる園もあります。特に保活激戦区では、認可保育園を落ちた場合に備え、前々から認可外保育園にも申し込みしている方も多いようです。

 
 

保活はいつから開始すべき?

iStock-890427136

子どもを保育園に預けたいと思ったら、なるべく早く保活を始めることが大事!しかし、年度の途中だとなかなか定員に空きが出ないので、年度初めの4月入園を狙うのがベスト。入園児が一斉に進級するので、大量に定員に空きが出るので、他の月に比べて比較的入りやすいことが多いからです。

認可保育園へ4月に入園させたい場合、1次申し込みの開始は前年10月、締め切りが12月上旬であるという自治体が一般的です。つまり、情報収集や保育園見学は、遅くても夏あたりには始めたいですね。早い人では、5月から保活を開始しているようです。役所の保育課で各保育園のパンフレットをもらったり、ホームページで調べたり、気になっている保育園があれば実際に行ってみて園児や先生の様子を見てみましょう。

ちなみに、認可保育園の1次申し込みは妊娠中でも可能です。翌年4月に保育園に預ける条件(子どもが生まれてから8週目以降)をクリアしていれば大丈夫なので、出産後すぐに職場復帰しなければいけないママでも申し込みをすることができます。

 
 

保育園の「点数」とは?

iStock-522949399

認可保育園に預けるためには、申し込んだ家庭の状況を各市区町村で選考されるのですが、この家庭状況をポイントにした「点数」を基準にして選考が行われます。点数の数値は各自治体によって違いますが、基準はそこまで違いがないようなので、点数の付け方と基準について説明します。

保育園に預ける理由は人それぞれですが、それぞれの理由で点数が与えられます。

例えば

  • 1日6時間の勤務を週5日、居宅外労働(つまり外に働きに出ている)している→__点数が高い__
  • 1日4時間の勤務を週3日、居宅外労働(つまり外に働きに出ている)している→__点数が低い__

というように、同じ「就労」が理由であっても働いている時間によって点数が変動します。

また、病気や介護、求職活動など、さまざまな要件で点数が付与されるようになっています。

自治体によって、父母どちらにも点数を与えられる場合と、主な養育者として母親にのみ点数が与えられる場合があります。

このほか「調整点数」というものがあり

  • 親が離婚している→__加点__
  • すでに認可外保育園やベビーシッターなどを利用している→__加点__
  • 祖父母と同居している→__減点__

など、各家庭の特別な状況に応じて、調整するための点数もあります。

また、同点数の家庭がいる場合には

  • 該当保育園の希望順位が高い家庭
  • 兄弟姉妹が在園中
  • 未就学児が多い家庭
  • 世帯収入が低い家庭

などの基準でどの家庭を優先するのかが決まります。

基準点数だけでなく、調整点数や優先度も各市区町村で異なります。保活激戦区では、求職活動は点数が低いために4月から働くという約束で急いでフルタイムの仕事を決めるママや、加点のためにあえて料金の高いベビーシッターを利用して実績を作っているママなどもいるのだとか。それも、保活のうちの一つの活動として行っているようです。

 
 

保活成功のためのポイント

iStock-878706270

点数によって決められる認可保育園への入園。また、認可保育園を落ちた多くの家庭が申し込む認可外保育園。どちらも入れずに、育児休業を延長しなければいけない…という事態になってしまっては、就労先にも迷惑がかかるだけでなく、家計にも影響が出てしまいます。

しかし、「とりあえず空き定員が多くて、あまり人気のない保育園でなら入れるかも!」と申し込んでしまうと、いざ入園となった場合に理想とのギャップが生まれてしまって、結局退園…というケースにも陥ってしまいます。認可保育園は狭き門だとしても、保育園選びは妥協したくないですよね。やっぱり第一希望の園に入れたいというのが親の本音だと思います。

保活が成功するためには、どんなことをすればいいのか…。そこには3つのポイントがあります。この記事でも触れた内容なので重複してしまいますが、そのコツとは

  1. 早めの行動
  2. 選択肢を増やす
  3. 点数を加点

の3つ!この3つのポイントを押さえることで、保活成功の道が近づきます。

早めの行動

保活は早く始めても損はありません。役所や保育園に行ったり、地域の子ども広場などで他のママから情報収集したりして、なるべく多くの情報を集めましょう。

また、いくつか候補を絞ったら必ず見学に行くべき!認可保育園の見学は日程が決まっていることが多いですが、認可外保育園は連絡すれば見学させてくれる場合があります。

選択肢を増やす

自治体によって申し込みできる保育園の数は違いますが、たいていは5ヵ所ほど申し込むことができます。第1希望だけで申し込むのは心配ならば、第5希望まで申し込みましょう。そのためには、自分の中で子どもを通わせたい保育園を5ヵ所に絞る必要があります。やはり早めの行動をして、見学やヒアリングを通して選択肢を増やしておくべきですね。通園の負担にならない範囲で選びましょう。

また、認可外が落ちてしまったら…というケースのために、認可外保育園も選択肢に入れておきましょう。認可保育園の1次選考のあとは認可外保育園への申し込みが殺到するので、その前に申し込んでおくのが賢いです。

点数を加点

保活激戦区では、基準指標の点数は、他の家庭と同じくらいの点数になってしまうことが多いです。そのため、加点でどのくらい稼げるのかがポイント!

もちろん、加点のためだからと言って、世帯年収をわざと下げたり、同居している祖父母を追い出したり、ご主人と離婚したりする必要はありません(笑)。ベビーシッターや一時保育を利用して点数を稼いだり、求職中の人は早めに就職先を見つけたりすると良いでしょう。

 
 

まとめ

家計などの理由で「なるべく認可保育園に預けたい」と思っている人も多いと思います。しかし、認可保育園は狭き門。いまだに待機児童問題が解消されていないという事実も踏まえ、「自分は大丈夫だろう」とあぐらをかかずに、自分なりに保活を攻略する必要がありそうです。直前で慌てないよう、時間に余裕を持って保活に取り組みましょうね。

 
 

もっとあなたらしく働ける会社があるかも?

Clarity(クラリティ)は、結婚、出産、育児と、変化するライフスタイルを通じてキャリアを続けたい女性のために、「働き方」で企業が探せる総合データベースです。

「育児時短勤務」や「リモートワーク」ができるかなど、約6,500社のデータを無料公開中。今すぐ気になる企業をチェックしよう!

CTA ocean 800