転職活動の面接で必ずといっていいほど聞かれるのが、転職理由・退職理由。企業側も納得してくれるような転職理由であればいいものの、「給料が低かった」「残業が多かった」などのネガティブな理由で転職を希望する人は多いので、どこまで本音で話していいのか悩むこともあるかと思います。企業側に悪い印象を残さないためにも、転職理由は予め用意してから面接に臨みましょう。

なぜ面接で転職理由を聞かれるの?

面接で採用担当者が転職理由・退職理由を聞くのには、主に2つの理由があります。

  1. 仕事に対する意欲や意識の確認
    転職するのには、何かしらの理由があります。その理由を聞くことで、応募者のキャリアビジョンやモチベーション、大事にしていることなど、働く上での意欲や意識を確認することができます。企業側が求めている人材であるかどうかを判断する材料となるので、「○○が嫌だったから転職したい」ではなく「転職することによってどのようになりたいか」という内容を重点的に伝えましょう。

  2. 同じ理由で辞める可能性がないかの確認
    せっかく採用しても、同じような理由で退職されてしまっては、採用活動にかけたリソースが無駄になってしまいます。長く働いてもらい、会社に貢献してもらえる人材かどうかを判断するための質問なので、企業側はそのような退職のリスクがないかを確認しています。

 
 

転職理由はどこまで本音で話すべき?

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厚生労働省の発表した「平成28年雇用動向調査結果の概況」では、転職活動者が前職を辞めたきっかけの上位が以下のようになっています。

  1. 給料等収入が低かった
  2. 労働時間、休日等の労働条件が悪かった
  3. 職場の人間関係が好ましくなかった

前職に、何かしらの不満があって辞めるという選択をした人が多いことが分かります。ネガティブな内容ですが、本音でもあります。

しかし、そのネガティブな転職理由・退職理由をそのまま面接で伝えるのはあまり好ましくありません。なぜなら、「会社のせい」「他の従業員のせい」などの考え方は他責思考が強いと思われてしまい、責任感や適応力がないと判断されてしまうからです。

それでも、ネガティブな理由で転職する人が多いのも事実。いくつかのポイントを押さえれば、ネガティブな本音を言い換えることもできるのです。さっそく事項で確認してみましょう!

 
 

転職理由を話す時のポイント

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前職に対する不満や不安は、言い換えると“前職で叶えられなかったことがあった”とも言えますよね。だからこそ、転職理由は「転職によってどのようなことを実現したいのか」を軸に考えると話しやすくなります。

転職理由を考える第1段階として、まずは、「なぜ転職したいのか」を考えてみましょう。この段階では本音で構いません。

  • 給与が安いから
  • 残業が多いから
  • 上司や他のスタッフとの相性が悪いから
  • 営業のノルマがきついから
    などのネガティブな理由を挙げる人が多いかと思います。

さて、第2段階として、第1段階で挙げた理由に隠された“自分が本当に実現したかったこと”に言い換えてみましょう。

  • 給与が安い
    →__自分の実績を会社にきちんと評価してほしい__
  • 残業が多い
    →__もっと効率的に業務を進めたい__
  • 上司や他のスタッフとの相性が悪い
    →__尊敬できる上司の下で働きたい/コミュニケーションを取ってチーム一丸で成果を出したい__
  • 営業のノルマがきつい
    →__一つ一つの案件をじっくりとこなしたい/顧客と信頼関係を築きたい__
    第1段階とは打って変わって、だいぶポジティブな内容になったと思いませんか?

前職を辞めた理由=本当にやりたかったことであるという言い換えができたら、最終段階の第3段階では、それが「転職することによって、この会社で実現できるかどうか」に焦点を当てて考えましょう。

  • 給与が安い
    →自分の実績を会社にきちんと評価してほしい
    →__この会社では、成果に応じたインセンティブ制度を導入していて、正当に評価してもらえるから転職したい__
  • 残業が多い
    →もっと効率的に業務を進めたい
    →__この会社では、業務効率化のための施策を取り入れているので、効率的に仕事をして成果を出したいから転職したい__
  • 上司や他のスタッフとの相性が悪い
    →尊敬できる上司の下で働きたい/コミュニケーションを取ってチーム一丸で成果を出したい
    →__この会社では、社長のビジョンの基で社員が一丸となって成果を出しているから、自分もその一員となって働きたい__
  • 営業のノルマがきつい
    →一つ一つの案件をじっくりとこなしたい/顧客と信頼関係を築きたい
    →__この会社では、長期的な顧客との信頼関係が重要な商材を扱っているので、一つ一つの案件を大事にしていきたいから転職したい__

このように3ステップで考えることで、「この会社に入社することで、どのようなことを実現したいのか」という転職理由を導くことができるのです。

 
 

転職理由の回答例

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それでは、前項の内容に沿って回答例をご紹介します。

【パターン1】給与が安いから

前職では、年功序列の給与体系だったため、営業でトップの成績でも給与に反映されませんでした。自分の出した成果を実感できず、モチベーションが下がることもありました。御社は、成果に応じてインセンティブをいただける成果主義の考え方で、年齢や役職に関係なく、自分の実績を正当に評価していただけると感じました。自分がやっていることを認めていただける環境で、自分の力を発揮したいと思い、転職を決意しました。

【パターン2】残業が多いから

前の会社では、「上司が残業しているのに先に帰るのはあり得ない」という風潮が強い職場でした。残業が必要な時ももちろんあるのですが、不必要な残業はオンオフの切り替えがしにくくなり、生産性も上がらないと感じていました。そんな折、御社では、業務効率化のためのシステムの導入や、ノー残業デー制度などを取り入れていることを知り、効率的な業務が成果に繋がると常々感じていた私の考え方と合っていると感じ、転職の道を選びました。

【パターン3】上司や他のスタッフとの相性が悪いから

以前の職場は、社長がワンマンで完全にトップダウン方式の社風でした。そのため、社長の発言で一気に場の空気が悪くなることもあり、スタッフ同士もギスギスしてしまっていました。しかし、私は学生時代からチーム一丸となって成果を出すことが向いている性格です。もっとコミュニケーションを取って一つの目標に向かって進みたいと思っていました。御社は社長の方針の基で、社員一丸となって○○の開発をいう実績を上げており、社員全員が同じ方向を見ていると感じました。私もその一員となり、一緒に目標に向かって成果を出したいと考え、転職を決めました。

【パターン4】営業のノルマがきついから

前職では実現が難しい目標数値を課せられていたのですが、それでは一つ一つの案件をこなすだけになってしまい、顧客との継続的な関係構築をすることができませんでした。しかし、私は顧客との信頼関係を築くことで、継続した受注にも繋がると思っています。御社が取り扱っている○○という商材は、長期的な顧客との信頼関係が大事なので、顧客の悩みや課題を解決していくため、自社の商材に自信を持って提案できる御社に転職したいと感じました。

 
 

まとめ

ネガティブな転職理由も、ポジティブに言い換えることで志望動機や入社への想いをアピールすることもできます。自分のキャリアビジョンや仕事に対する意識を企業側に知ってもらうためにも、きちんと内容を整理して伝えてみましょう!

 
 

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